
プレスリリース配信ガイド
海外メディアに自社のニュースを載せる方法:英語プレスリリースの書き方・配信・活用ガイド
よくある話です。社長が「プレスリリースを出そう」と言い、担当者が会社概要を英訳してプレスリリースに仕立て、配信し、リンクの一覧が返ってきて、それきり何も起きない。費用は払い、プレスリリースは確かにメディアのサイトに載りました。それなのに1年後、それが事業に何をもたらしたのか、誰も説明できません。原因が配信そのものにあることはまれです。たいていは次の3つのどれかです。本当のニュースがない、編集者が想定する形式になっていない、公開後に活用する計画がない。このガイドでは、この3つを順に取り上げます。

プレスリリースの配信と、メディアに取り上げられることの違いは?
結論:配信とは、ワイヤーを通じてメディアサイトのニュース欄やプレスリリース欄にあなたのプレスリリースが掲載されることで、タイミング、文面、配信範囲はあなたが決められます。取材記事とは、記者があなたのニュースを見て重要だと判断し、自分で記事を書くことです。獲得することはできても、お金で買うことはできません。
この2つは互いに支え合います。配信は着実に公開記録を積み上げ、1本1本のプレスリリースが取材記事を獲得する機会にもなります。以下の内容は、そのどちらにも役立ちます。
ひとつ注意があります。「掲載保証」や「トップページ掲載を保証」といった売り文句は、危険信号と考えてください。
ステップ1:海外の編集者が関心を持つネタはどう見つけるか
結論:編集者がまず問うのは「これは自分の読者にとって何を意味するのか」です。読者に影響する具体的な出来事は通り、社内でしか意味を持たない節目は通りません。
創業記念、オフィス移転、「戦略的転換」、自ら応募した業界の賞、要人の訪問は、社外の人の関心をほとんど引きません。国内向けのお知らせではよく見かける話題でも、海外の編集者には届かないのです。下の表は、関心を引く書き換えの例です(説明のための見出し例で、実際の事例ではありません。実際のプレスリリースは英語で書くため、ここでは日本語で意味を示しています)。
簡単なテストがあります。見出しの社名を競合他社の名前に置き換えてみてください。それでも文が成り立つなら、まだ具体性が足りません。
もうひとつの強い切り口は独自データです。越境EC ブランドなら、自社に寄せられた数千件のレビューを分析し、顧客が最も多く挙げる悩みを示せます。SaaS 企業なら匿名化した利用状況のベンチマークを公開でき、メーカーなら気候帯ごとの故障率を報告できます。自社しか持たないデータは記者の役に立ち、AI ツールが引用できる材料にもなります。
Muck Rack の「State of Journalism 2026」(記者1,044人を調査し、うち897人の回答を分析)も同じ方向を示しています。売り込み(ピッチ)に何を求めるかという質問に対し、70%が自分の担当分野との明確な関連性、58%が関係者へのインタビューの機会、40%が独自のデータや調査、37%が高解像度の画像を選びました。また88%が、自分の担当分野に合わない売り込みはすぐに無視すると答えています。
出典:Muck Rack: The State of Journalism 2026 (1,044 journalists surveyed, 897 analysed, March 2026)
| 社内向けの書き方 | 編集者が使える書き方 |
|---|---|
| 当社、次世代スマート製品を発表 | 新型ポータブル電源、緊急時に EV への充電が可能に。初回出荷は米国とカナダ向け |
| 創業15年、業界をリードし続けて | 新工場の稼働で、北米への納期を45日から20日に短縮 |
| 当社製品が権威ある業界賞を受賞 | 製品が UL 認証と CE 認証を取得し、全国展開の小売チェーンで販売開始 |
| 当社は持続可能性に取り組んでいます | リサイクル可能な包装への切り替えで、プラスチックを年間約30トン削減 |
ステップ2:英語プレスリリースはどんな構成で書くか
結論:編集者が想定する標準的な構成を使いましょう。審査を早く通過し、読みやすくもなります。各要素は次のとおりです。
| 要素 | 書き方 | よくある間違い |
|---|---|---|
| 見出し(Headline) | 誰が何をしたかを1行で。能動態で、具体的に | 「革命的」「破壊的」「ゲームチェンジャー」 |
| デートライン(Dateline) | 第1段落の冒頭に、発信地の都市名と日付 | 入っていない、または配信日ではなく原稿を書いた日付になっている |
| リード(Lead) | 1〜2文で、誰が、何を、いつ、どこで、なぜ重要か。多くの読者はここで読むのをやめる | 会社の沿革から書き始める |
| 本文(Body) | 重要なことから先に。背景より事実を先に。数値には必ず出典と年を添える | 出典のない数値 |
| コメント(Quote) | 実名の人物による1〜2文。事実の繰り返しではなく、判断や意義を語る | 誰も口にしないようなスローガン |
| 会社概要(Boilerplate) | 「About [社名]」として固定した段落。正式社名、設立年、事業内容、所在地、ウェブサイト。毎回同じ文面を使う | プレスリリースごとに会社の説明が違う |
| 報道関係者の連絡先(Media contact) | 実在の担当者名、メールアドレス、電話番号 | 誰も確認していない info@ アドレス |
海外の読者に向けて書くとき、企業が陥りがちな間違いは?
結論:社内の人向けに書く、現地の読者が知らない背景を説明しない、名称の表記がばらばら、キーワードを詰め込んだリンク、そして最上級の表現です。
社内の人に向けて書いてしまう
社内の略語、製品のコードネーム、業界の専門用語は、別の市場の編集者には意味が通じません。まず1文で言えるニュースの要点を決め、あなたの会社を聞いたこともない、理解力のある読者に向けて書きましょう。
日本の文脈を説明しないまま書く
自国の外で発表する場合、読者は国や自治体の補助金制度、国内の認証機関、地域の表彰、工場のある市町村の名前を知りません。それぞれを短い説明で補うか、読者が知っているものに置き換えましょう。単位、通貨、日付の書き方も相手の市場に合わせます。たとえば和暦は西暦に、坪は平方フィートに直します。これは日本企業が米国の読者に発表する場合に限らず、米国の読者に発表するカナダ企業や、オーストラリアに進出する英国ブランドでも同じです。
名称の表記がばらばら
会社名、ブランド名、役員の名前は、ウェブサイト、Amazon などのマーケットプレイスの商品ページ、LinkedIn、すべてのプレスリリースで同じ綴りを使いましょう。日本企業の場合はとくに、英語の正式社名(Co., Ltd. や Inc. を付けるかどうか)、ローマ字の綴り(たとえば Ohno と書くか Ono と書くか)、姓と名の順序を一度決めて統一することが大切です。表記が揃っていれば顧客があなたを見分けやすくなり、検索エンジンや AI ツールも、それらのページが同じ会社を説明していると判断しやすくなります。
キーワードを詰め込んだリンク
Google のスパムポリシーは、リンクスパムの例として、他のサイトで配信される記事、ゲスト投稿、プレスリリースに含まれる最適化されたアンカーテキストを挙げています。リンクテキストにはキーワードの羅列ではなく、ブランド名か URL を使いましょう。
出典:Google Search Central: Spam policies for Google web search (updated 2026-08-28)
最上級の表現と根拠のない主張
「業界をリードする」「ナンバーワン」「世界最高」といった表現は、編集者に削られ、読者には割り引いて受け取られ、AI ツールには無視されます。法的な問題にもなりえます。米国では FTC が、広告の主張は真実であり証拠に裏付けられていることを求めており、英国とオーストラリアにも同様のルールがあります。日本でも景品表示法が、商品やサービスの品質などを実際のものよりも著しく優良であると示す表示を「優良誤認表示」として禁じています。形容詞の代わりに、認証番号、発売日、展開している市場など、確認できる事実を書きましょう。
出典:FTC: Advertising FAQ's: A Guide for Small Business (edited January 2025)
出典:ASA: The CAP Code, section 03, Misleading advertising (rules 3.1 and 3.7)
出典:ACCC: False or misleading claims
出典:Consumer Affairs Agency (Japan): What is misleading representation of quality (yuryo gonin)?
プレスリリースの配信に加えて、記者にも売り込むべきか
結論:重要なニュースなら、そうすべきです。配信は公開記録をつくります。取材記事はたいてい、あなたの分野を担当する数人の記者への、短く個別の売り込みから始まります。
Muck Rack の2026年のレポートは、よい売り込みとは何かについて、8年分の記者調査の結果をまとめています。62%が1対1のメールを好み、69%が200語未満の売り込みを好み、78%が正午前に受け取りたいと答えています。また50%がフォローアップは1回が理想だとし、51%はそれを3〜7日後に送るべきだとしています。
実際には、次のように進めます。ここ数か月の間にあなたの製品カテゴリーについて書いた記者を5〜10人探し、一人ひとりに英語で短いメールを書きます。ニュースの要点、それが相手の読者にとってなぜ重要か、提供できるもの(データ、インタビュー、画像)を伝え、詳細は公開済みのプレスリリースへのリンクで示します。送信の時間帯は記者の現地時間で考えましょう。米国東部の午前中は、日本時間では夜から深夜にあたります。一斉送信はやめましょう。同じ調査では、50%の記者が一斉メールに嫌気がさすと答えています。
出典:Muck Rack: The State of Journalism 2026 (1,044 journalists surveyed, 897 analysed, March 2026)
ステップ3:配信先のメディアとタイミングはどう選ぶか
結論:まず誰に向けたプレスリリースかを決め、それからメディアの組み合わせを選びます。配信は相手市場のタイムゾーンで平日の午前に行い、主要な祝祭日を避け、展示会のニュースは開催の1〜2週間前に出しましょう。
消費者向けの新製品には、幅広く届く地域ニュースサイトやテレビ局のサイトが向いています。バイヤー、販売代理店、取引先に向けたニュースには、業界専門サイトや金融系サイトが合います。新しい市場への参入や大型の業務提携といった本当の節目こそ、AP News、USA Today、Yahoo Finance のような明記されたメディアを加える価値があります。
米国の読者向けなら、米国東部時間の平日午前が無難な基準です(日本時間では夜から深夜)。英国やオーストラリア向けなら、現地の営業時間に合わせます。米国では感謝祭から年末年始にかけての時期を避け、業界最大級のニュースに埋もれてしまう日も避けましょう。これは実務上の経験則で、測定されたルールではありません。CES や自社の業界の展示会に合わせるなら1〜2週間前に配信し、パンフレットを手にした来場者が検索したときにニュースが見つかるようにします。
配信前に、リンク先のページが存在することを確認してください。自社サイトの製品ページやニュースページで、詳しい情報と、問い合わせや購入の手段があるページです。海外の読者向けなら、英語のページを用意しましょう。
ステップ4:公開後の30日間に何をするか
結論:多くの企業は、リンクの一覧を受け取ったところで止まってしまいます。プレスリリースが働き始めるのは、公開後の1か月です。下のチェックリストを使ってください。
自社サイト(海外向けなら英語サイト)にニュースルームや「In the news」のページを設け、プレスリリースを日付順に並べて、掲載ページへのリンクを載せます。そのページが、顧客、取引先、AI ツールにとって、日付入りの歩みの記録になります。
リンクを営業資料に組み込みます。営業メール、提案書、展示会の配布資料、メールの署名、LinkedIn の会社ページなどです。まだ取引のない見込み客に返信するときは、関連するリンクを1〜2本添えるほうが、会社案内の資料よりも多くを伝えてくれます。
掲載実績は正確に書きましょう。日本のサイトでよく見かける「メディア掲載実績」のロゴ一覧も、書き方に注意が必要です。「AP News に掲載」と書いてそのページにリンクし、メディアのロゴを「As featured in」や「パートナー」のバッジにして、そのメディアが推奨しているかのように見せないでください。正確な書き方のほうがプロフェッショナルに見え、広告表示に関するルールにも沿った形を保てます。

プレスリリースの効果はどう測るか
結論:見るべきは3つです。ブランド名の検索結果の1ページ目に第三者のページが出るか、それらのページからの訪問があるか、AI ツールがあなたを正しく説明しているか。変化は少しずつで、プレスリリースを重ねるごとに積み上がっていきます。
- ブランド名で Google 検索します。1ページ目に第三者のページは表示されていますか?
- アクセス解析で掲載ページからの参照元訪問を確認し、Google Search Console で指名検索(ブランド名を含む検索語句)の変化を確認します。
- ChatGPT、Gemini、Perplexity に、あなたの会社が何をしているかを尋ねます。海外の顧客と同じように、英語で質問してみましょう。言及されていますか?内容は正しいですか?間違っていれば、その情報の出どころを探し、まずそこを直します。
ステップ5:年に何本、どんなペースで配信するか
結論:実際の事業の出来事に合わせて、年に4〜6本が目安です。これは編集部の提案で、プラットフォームのルールではありません。
ブランドの公的な存在感は、1本のプレスリリースではつくれません。無理のないペースの一例は、1〜3月に新製品の発売、4〜6月に展示会、7〜9月に新市場への進出や新しい取引先、10〜12月に年間データです。プレスリリースを出すたびに、時系列の記録が伸びていきます。同じニュースを、見出しだけ変えて出し直すのはやめましょう。
Vokolla なら、どのステップを自分で進められるか
結論:原稿作成、チェック、入稿、そしてすべての掲載ページのリンクを載せたレポートです。開示:筆者は、セルフサービス型のプレスリリース配信プラットフォームである Vokolla の創業者です。
自分のプレスリリースをアップロードすることも、ニュースを自分の言葉で説明して AI アシスタントに下書きを任せることもできます。日本語のメモからでも、エディターの「おまかせ作成」で英語の初稿を作成できます(配信されるプレスリリースは英語で公開されます)。足りない事実は勝手に作らず、あなたが補えるよう指摘します。入稿前には、宣伝色の強すぎる表現も含めて、プランのメディアガイドラインに沿って原稿がチェックされます。進捗はワークスペースで確認でき、最終レポートにはすべての掲載ページのリンクが載るので、そのままニュースルームページに使えます。
配信プランは1件ごとの料金です。Brand Starter US$69(300以上のメディア。openPR と NEWSnet の都市ニュースサイト25サイトを含む)、Global Reach US$129(500以上のメディア。100以上のテレビ・ラジオ局サイトを含む)、Premium Media US$379(Global Reach の配信先すべてに加え、AP News、USA Today、Barchart、StreetInsider)、Global Impact US$659(300以上のメディアからなる別のネットワークで、Yahoo、Business Insider、National Post、The Globe and Mail など20以上の高トラフィックなサイトに集中。他のプランの合計ではありません)。
すべてのプレスリリースは編集審査の対象で、掲載するかどうかは各メディアが判断します。
出典:Vokolla: Publishing packages and prices
出典:Vokolla: Partner media list (DR and monthly visits are third-party estimates, October 2026)
このガイドの事実はどのように確認したか
記者調査の数値、Google のポリシー、FTC のガイダンスは原典で確認し、それを使った段落の下に出典として示しています。Muck Rack の調査は PR の売り込み(ピッチ)に関するもので、プレスリリースと同じものではありません。また「理想的な売り込み」に関する数値は、8年分の調査をまとめたものです。この2つの区別はそのまま残しています。Muck Rack はメディアリレーションズ用のソフトウェアを販売しており、こうした調査結果に利害を持っています。
日本語版では景品表示法の優良誤認表示についての説明を加え、消費者庁のページで2026年10月24日に確認しました。日本時間への換算は、編集部が補足したものです。見出しの書き換え例、30日間のチェックリスト、タイミングの助言、年間のペースは編集部の提案で、実際の事例やプラットフォームのルールではありません。このガイドは Vokolla が AI の支援を受けて調査・執筆し、すべての事実を原典と照合したうえで、筆者が確認しました。日本語版は英語版をもとに、日本の読者向けに編集しています。Vokolla の配信プランは、料金ページとメディア一覧のページに公開しているとおりです。
よくある質問
プレスリリースの書き方と配信について、よく聞かれる質問です。
プレスリリースの長さはどのくらいが適切ですか?
決まった長さはありません。1つのニュースを過不足なく説明できればよく、多くは英語で数百語です。リードだけで意味が通じるようにし、残りは重要な順に並べましょう。そうすれば、編集者が末尾から削っても要点は失われません。
AI でプレスリリースを書いてもよいですか?
はい、下書きのツールとして使えます。事実はすべて自分で確認してください。認証、数値、顧客名、役職は実在し、確認できるものでなければなりません。AI が加えた内容を確認できなければ、削除しましょう。
プレスリリースにはリンクをいくつ入れられますか?
メディアとプランによって異なります。今回のニュースを扱った自社サイトのページにリンクし、リンクテキストにはブランド名か URL を使い、キーワードを詰め込まないでください。
メディアのロゴを自社サイトに載せてもよいですか?
「[メディア名] に掲載」と書き、そのページにリンクしましょう。ロゴを提携先や推奨の証のように見せるのは、顧客の誤解を招くおそれがあるので避けてください。
出典と編集方針
この記事は Vokolla が AI の支援を受けて調査・執筆したものです。各プラットフォームに関する事実は、下記の一次情報で確認しています。図、チェックリスト、事例は編集上の提案であり、プラットフォームの規則や顧客の実測結果ではありません。
- Muck Rack: The State of Journalism 2026 (1,044 journalists surveyed, 897 analysed, March 2026) — 確認日 2026-10-21
- Google Search Central: Spam policies for Google web search (updated 2026-08-28) — 確認日 2026-10-21
- FTC: Advertising FAQ's: A Guide for Small Business (edited January 2025) — 確認日 2026-10-22
- ASA: The CAP Code, section 03, Misleading advertising (rules 3.1 and 3.7) — 確認日 2026-10-22
- ACCC: False or misleading claims — 確認日 2026-10-22
- Vokolla: Publishing packages and prices — 確認日 2026-10-22
- Vokolla: Partner media list (DR and monthly visits are third-party estimates, October 2026) — 確認日 2026-10-22
- Consumer Affairs Agency (Japan): What is misleading representation of quality (yuryo gonin)? — 確認日 2026-10-24